洗礼について  

洗礼についての話です。

 洗礼は大体司祭が授けますが、緊急の場合は
信徒も授けることができます。また特別な場合
には信徒でない人でも授けることが可能です。

 たとえば、集中治療室にいる患者に、司祭信
徒が中に入れないので、信徒でない看護師さん
に頼んで授けてもらうこともできるのです。
「父と子と聖霊の御名によってあなたに洗礼を
授けます」と言ってもらって、水をかけてもら
えばよいのです。 これで有効なのです。

 クリスチャンでない人が、洗礼の儀式をとり
行なって、未信者の人をクリスチャンにする、
他の宗教だったらあり得ないことでしょう。

 でも、考えてみれば、こんな場合はあります。
 たとえば、生まれてきた子供が危ないという
出産があります。その時、クリスチャンである
母親はおそらく子供に洗礼を望むでしょう。で
も誰がどうやって洗礼を授けてくれるでしょう。

 そのとき、信徒でない看護師さんが行なって
もカトリック教会と一致して行なっている行為
なので有効なのです。
 つまりカトリックの洗礼は、どんな方法で誰
が授けても、すべては教会が行なっているとす
るのです。

キリスト教と他の宗教の違いはここにあります。


《 黄字部分 吉田登(レデンプトール会司祭)
『現代カトリック者の信仰と生き方』より引用 》



 


洗礼の水

 洗礼には水が使われます。洗礼により、罪の穢
れが洗い流されて清くなる、とされています。
 キリスト教に限らず、多くの宗教そして神話や
儀式で水が使われます。
 日本の禊(みそぎ)や水垢離、外国ではガンジス
川でのヒンズー教徒の沐浴など、それだけでなく、
死ぬときにも、末期の水を受け、死後に「川を渡
る」という考え方があります。

 イエスの時代の洗礼は、川の中に頭まで沈んで
全身水に浸ったらしいですが、現代の教会での洗
礼は受洗者の額にすこしだけ水をかけます。
 洗者聖ヨハネ の出てくる映画「偉大なる生涯
の物語」では、自分を捕まえにきたローマ兵たち
を川の中に力づくで浸けて「悔い改めよ」と叫ぶ
姿があります。印象的でした。
 ヨハネは、洗礼者ヨハネ、バプテスマのヨハネ
とも呼ばれています。